資金管理・リスク管理3つのポイント
FX取引で勝ち残るためには「資金管理」
「リスク管理」の考え方は最重要ポイントです。
まずは3つのポイントについて、説明します。
どれも簡単に理解できるポイントですが、
きちんと押さえておくことによって
安定感のあるトレードができるように
なりますので、しっかり覚えておきましょう!
1:『リスクリワード』を意識しましょう
『リスクリワード』とは、
1回あたりのトレードにおいて、
損切りまでのpipsと、利益確定までの
pipsの割合のことを差します。
よくある表現方法としては、
リスクリワードが「1:2」なら、
たとえば損切り幅が30pips、利益確定幅が
60pipsといった感じになります。
儲けの少ない取引はするべきでは
ありませんので、【適切なリスクリワード】を
満たすトレードをするようにしましょう。
※リスクリワードの考え方については、
トレード手法およびトレード事例集を通じて
具体例を提示していきます。
2:『確率』を意識しましょう
100%勝てる取引ロジックは
ありません。
基本的には、トレードの勝ち負けの確率は
『50%:50%』と考えてください。
(勝つほうの50%の数値をより大きく
するためにトレード手法が存在します)
「損小利大」を心掛けると同時に、
闇雲にトレードしないようにしたいものです。
勝つ確率の高いトレード、勝てば大きな
利益の見込める【期待値の高いトレード】を
見極めて、マーケットにエントリーしましょう。
3:継続は力なり
マーケットで成功するには継続が肝心です。
「複利の力」を活かすためにも、
マーケットで長く取引が継続
できるようにしましょう。
トレード継続の鍵は、「損小利大」と、
この後で説明する【合理的な取引ロット】
の方程式を守ることです。
次項の計算例を見て、取引ロットの
算出方法を必ず学んでおきましょう。
リスクリワードを常に意識し
期待値の高いトレードを見極める
ことにより資産の管理を行うことが
重要です。
注文数量(ポジション量≒ロット数)の
計算方法
トレード事例集でも触れていきますので、
まずは数字の部分だけの解説をしていきます。
実際にはExcelを使って管理するのが
理想的ですが、慣れないことを最初から
本格的にやってしまうと面倒に感じるものです。
なので、ひとまず
適正ロットで「エントリーとイグジット
(発注と決済)」を繰り返す
という、一連のトレード経験を積むことを、
当面の目標にしましょう。
資金管理(特にポジション・サイジング)は、
かなり奥が深い分野です。
すべてを網羅しようとせず、トレード回数が
増えるとだんだん理解が深まっていくもの
だと捉えておいてください。
1:トレード1回毎の「許容損失額」を
把握する
その人の考え方や、資金量によって
大きく変わってきますが、基本的には
次のような考え方をオススメいたします。
リスクにさらすことができる資金
(=最悪すべてが消失しても影響のない資金)を
証券口座に入金し、その
「2%」の金額を1トレードの損失許容額として
設定します。【重要】
「2%」の金額というのは、大まかに計算して
50連敗 まで耐えられる、という意味です。
たとえば、証拠金が 1,000,000 円 の場合は
1,000,000 円 × 2% = 20,000 円 つまり
1回あたりの損失額を 20,000 円以下
に抑えるのが望ましい
ということになります。
2:一度に保有できる「ポジション量」を把握する
許容損失額が分かったら、次に決めるのは
「ロスカット幅」です。
トレード手法『Volume Lock-on Trade』では、
目安として現状のドル円では「 20pips 」
というロスカット幅を設定しておりますが
相場のボラティリティが変化してきた際など、
ロスカット幅を変えていく際には、
この数字は変化していくということを
必ず覚えておいてください。
このロスカット幅が定まってくると、
下記の計算式が成り立ちますので、
トレード1回あたり持つことのできる
ポジション量を把握することが可能です。
「証券口座残高の2%」=
「ロスカット幅」×「ポジション量」
【ポジション量の計算例】
たとえば、初期証拠金が 1,000,000 円
である場合、
「 1,000,000 円 × 2% = 20,000 円」
となるため、前述の通り1回あたりの
許容損失額は 20,000 円 を前提として
計算を進めます。
つぎに、「ロスカット幅」を 20pips
とした場合、
110.50 円 でドル売り(円買い)をしたと
仮定すると、ストップロス注文にあたる
ドル買戻しの逆指値注文(StopLoss)は
「 110.70 円(= 110.50 円 + 0.20 円(= 20 pips)」
に設定することになります。
このとき、
「証券口座残高の2%は 20,000 円」なので
「証券口座残高の2%」=
「ロスカット幅」×「ポジション量」
の公式に代入してみると、
「 20,000 円」 =
「0.20 円」 ×「ポジション量」
となりますので、ここで両辺を
「0.20 円」で割ってやると
「 20,000 円」/「 0.20 円」 =
「0.20 円」/「0.20 円」 × 「ポジション量」
つまり
「ポジション量」 =
「 20,000 円」/「 0.20 円」 = 「 100,000 円」
よって
「ポジション量」は、「 100,000 円」
ということになります。
このポジション量でエントリーすると、
許容損失額は2%に収まる計算になります。
3:レバレッジを加味して「ロット数」を算出する
そして レバレッジ500倍 で計算すると、
実際に必要となるロット数は
「 100,000 円」/「 500(倍)」 =
「 200 円」 となり、
1Lot あたり 1pips 変動すると
110円 分の損益が出る
(※為替レートは変動しているので
誤差はでますが、説明の便宜上
簡略化しています)ので
「 200 円」/「 110 円」 =
「 約 1.8 Lot(1.82Lot) 」でエントリー可能、
と算出できます。
以上が、ポジション量(≒ロット数)を
決める計算の流れになります。
ただし、こういった公式に当てはめて、
わざわざ1回のトレードごとにロット数を
計算するのは面倒だと思いますので
(慣れれば頭の中で計算可能ですが)、
次の記事で「大体のイメージ」について
触れておきます。
適正ロットでエントリーと
イグジットを繰り返し、
ロスカット幅を定め、
1トレードあたりのポジション量を
把握することで許容損失額を
算出し実際に必要となる
ロット数を導き出す事ができます。
ロット数を【感覚値】で把握する
トレード損益をわざわざ1回のトレードごとに
計算するのは面倒だと思いますので、
「だいたい何Lotで」「何pips動いたら」
「どれだけの損益金額になるか」を覚えて
おきましょう。
こちらの図表は「1ドル=100円の場合」の
Lot数とpips数 の大まかな対照表です。
※青枠で囲った1Lotの時だけ覚えて、
他は掛け算で暗算するのをオススメします。
もしドル円レートが「1ドル=110円」ならば、
110÷100=1.1 で だいたい1.1倍ぐらいかな?
と把握しておけばOKです。
また、他の通貨ペア(EURUSD等)に関しても
計算すれば厳密なロット数は出てきますが、
ドル円との差分で約1.2~1.3倍になります。
上記の図表が基本になると捉えておきましょう。
以上のように、ロット数は、ドル円/クロス円
1Lotで取引した場合を基準として、
大まかな数値を算出するとよいでしょう。
深く踏み込もうとすると余計に
わからなくなりますので、
MetaTrader4のターミナルウィンドウに
表示される損益数値の変動を見ながら
1Lotあたりの損益金額を
“目視で感覚的に" 把握
するようにしてください。
(そのほうが頭で理解するよりも早いです)
たとえば、0.01Lotで1pipsあたりの損益金額が
わかれば、それを単純に100倍すれば
1Lotあたりの損益金額になります。
ですので、もし最初の段階でロット数の
決定に迷った場合は、
トレードする通貨ペアに 0.01~0.1Lot で
お試しエントリーしてみて【重要】
1pipsあたりの損益金額を把握したうえで、
本来自分が投入すべきロット数を逆算して
決定する、というのも手堅い算出方法です。
【応用編】
分割エントリーについて、ご質問を
いただきましたので回答いたします。
ご質問
押し目・戻り買いで買ったらまだ深く値を
伸ばしたので、押し目買いを積み上げるという事は
通常でしょうか?
(その為Lotを小さめにしてあります)
ご回答
ロットを積み上げる(分割エントリーする)
というのは、事前に4時間~日足レベルで
報酬比率2倍程度が見込める場合にのみ、
リスクを減らす目的で取る選択肢の1つです。
(いわゆる“試し玉"というものですね)
たとえば、4時間足で報酬比率
2倍以上を見込める場合に、
15分~1時間足でロット数を小さめで
試し玉を仕込み、想定通りの値動き
になったとき主要なSRポイント等で
積み増していく、という考え方になります。
ただし、ロット分割する場合は
「その通貨ペアでのトレードに慣れている」
というのは大前提です。
根拠なくナンピンしたり、ヨコシマな感情に
なることが多くなりがちだからですね。
慣れている通貨ペアのみ、という条件のもと、
事前にエントリー回数の“上限"を決めておく
必要があります。
たとえば、ロングを3回想定している
ケースでは、3回分のロスカット合計値が
「総資金の1~2%」を上回らないように
計算してください。
このパーセンテージはご自身のリスク許容度
にもよりますが、基本的には
『2%上限』という条件は守ることをお勧めします。
ここまでの考え方で投入するロット数が分かれば、
実際にエントリーする体勢に入れます。
ただし、ちょっと待ってください!
相場には、規則性なく乱高下する
時間帯があります。
それが『重要経済指標(大型経済イベント)』
と呼ばれるものです。
重要経済イベントの前後はトレードを控える。
このポイントについて、
損益と資金の関係で解説していきます。